Canon AE-1

京都での休日。

たまには街に繰り出してみるかと、三条河原町界隈をうろうろしていた。

その帰り、ふとショーウィンドウを見ると、キャノンAE-1が陳列されていた。この時代のカメラは、私が小学生高学年あたりのもので、父親のオートフォーカスカメラを借りて写真を撮影していた私にとっては憧れの存在だった。当時の価格で７，８万円くらいだったか。小学生のお年玉で到底買えるものではなく、親にねだって買ってもらうには高価すぎた。

そして数年が経過し、遂にこのAE-1の後継機種であるAE-1プログラムという一眼レフカメラを自分のものにすることが出来たのだが、それは第一志望の高校に合格したお祝いのプレゼントだった。とても嬉しくて、本当に抱いて寝ていたくらい。その後はあちこちに撮影旅行とかに行ったりとか、ほんと数えきれないくらいの写真を撮影した。今でも写真を撮るときの構図とかに少しこだわりが有ったりするのはこの頃にいろいろ試してみた結果の名残かもしれない。

それはともかく、その憧れのカメラも、今や中古で１万円しないくらい。数千円の値札を付けられたAE-1、なんかかわいそうである。私のAE-1プログラムは今でも自宅の部屋に大事に保管しているけど、使わなくなってもう何年？いや何十年も経つので、もう動かなくなっているだろう。今やスマホでもこの頃の一眼レフより相当綺麗な写真を撮れる時代。そう考えると今の小学生とかの憧れの品物って何なんだろう、と思ってしまう。モノではなくてやはり何かのコトが憧れの対象になっているのかもな。